おつり 

相方からメールが入った。
仕事している僕の所へ、姫が花火を欲しがってると。
わざわざメールするくらいだから、
これは何も持って帰らないわけにはいかない、
この時期花火屋さんは込んでいるから、
行きたくないなぁ、と思いながらも、実行。
そして、事件は起きた。


花火は岡崎人なら知っている「佐野花火店」。
案の定、お盆で店の前は、ごった返し。
どうも、渋滞や人込みは苦手なのだ。
だからバーゲンに行けない。
普段ゆったり選んだり、店員さんと話したり、
あるいは購入したりしてる方が、
どちらかと言うと割安に感じているのだ。
と、言う僕だから、その時点でうんざり。
駐車場のおじさんに誘導され、車止め、
人をかき分けて花火を入れる籠を受け取る。
で、もう何がどこのものかわからなくなってる
花火を、とにかくかごに放り込む。
値段は見てる余裕などないのだ。


で、これぐらいか?
と思うところで止めるのだが、そこまでに10分。
姫リクエストの手で持つ花火までたどり着けないのだ。
で、たどり着けば後ろで人が待ってるし、
あ〜、疲れる。


籠をバイト(お手伝い?)の息子風の人に渡す。
裏ではおばぁちゃんらしき人が値段を計算する。
全部記憶してるのだろうか?
こんなに種類あるのに、と思いながらも、
声がかかるのをじっと待つ。
「これとこれ、入れた人?」息子が言う。
いちいち籠に入れたのは覚えていないよ、
でも誰も手を上げないから「僕のかも?」と。
「2650円です」みたいな流れで、
それ本当に自分のなのか、確認取れない。
しかたない、支払いは1万円札しかなく...


「700円、サービスです!選んでください」
こぎみよい返事はいいが「おつりは籠の中です」と、
また花火を選ぶ試練が。
何気なく、おつりを財布に入れるが...


この時、1千円札が1枚足らなかった、のだ。
でも次から次に購入者は籠渡してるし、
その籠も受け取ってもらうために、手をのばして
さっきも書いたけど、誰ものかも息子君は理解してない。
あ〜、あきらめるしかないか。
交渉をこの人込みでする気力は、僕にはない。
結局700円分のサービス、といっても
300円のマイナス。
3600円の花火、少し、いやなかなかの出費だ。
手で持つ花火ばかりだとするのなら。


以前は時間のある時に行った。
「1歳の子供には、どれがいいんでしょうね?」に
すごく丁寧にアドバイスしてくれていただけに、
人だかりの購入は、残念だ。
まぁ、さっそく夜、姫は「今日の分」と言いながら、
花火を選んで家族全員で庭に出て、
遊べたことが唯一の救いで、慰めか。
子供の笑顔には、弱いパパがここにいる。
それにあの息子、バイトではなく「お手伝い」と
僕の中では決めておこうと思う。
プロじゃなければミスもあるよね、と
自分を納得させること出来るからね、小心者だな、僕。