自己主張 

彼女は待っていた。
相方のお姉さん家族がお盆で帰ってくる。
1泊泊まるから、一緒に遊んでもらえる、と。
何日も前から指折り数え、
今日が来た。


お昼寝も車のエンジンの聞こえるたびに、
「来た?見てきて?」と寝付けない。
夕方になる、と言う言葉も彼女も待つ気持ちに勝てない。
寝入っても1時間寝、お目覚め。
そのあとは...


冷房の効いてない部屋で、
車が来たらすぐわかるからと、網戸の前に
体育座りして、西日が当たっても言うことをきかず、
待ちわびている。


そして1時間。「来たぁぁぁぁ!」
笑顔が自然に出て、嬉しくて、言葉が出ない。
待ってたことを一言も言わないまま、
一緒に冷房の利いた部屋に戻った。