想像する痛み 

ママはお仕事、僕は姫のために休みました。
インフルエンザの予防接種2回目、だったのです。
今週月曜に予定は彼女の風邪のため、延期。
かわりが今日だったのです。


まだ6歳、注射は嫌いです。
家を出る前に気づかれないように準備です。
彼女は「注射」と知ると、そこから泣き始めます。
想像で痛くなるようです。


車の中で「いいとこ、って何処?」と何度も聞かれ、
僕は白状しました「病院」と。
「注射?」と勘のいい彼女は気づきます。
「そう」「わたし?」「そう」
「やだなぁ...」精一杯の抵抗です。
しかし、すぐ着きました、一緒に中に入ります。
待合室では、うなだれてる姫。
診察室から子供の泣き声が始終聞こえます。
ますます凹む、相方が見てられない、と言う状況は
このことなんだなぁ、と思います。


「パパ、ここつねって!」
「どうして?」
「注射がどれだけ痛いか、練習しておく」
相方と前回きた時はずっとそうしていたようです。
僕は「つねると痛いから、もんでおこう」と。
「どうして?」
「柔らかくなって針がすっと入るかもしれないよ」
「... もんで」


姫の名前が呼ばれ、いよいよです。
しくしく涙顔の彼女に看護士さんがシールをくれます。
受け取った彼女の横を、ワンワン鳴いている2人の子供。
親にだっこされてます。
姫も僕がだっこして、腕出して。
注射針が近づいてきます。
注射が終わるまでジーと見ていて、終わると笑顔。
これもいつものこと。
「相変わらず泣かないねぇ」と僕。
「だって、もう終わったもん」と彼女。
そう彼女の怖いのは打つ寸前までなのです。