営業マンは断ることを覚えなさい

ずっと読んでみたかった本なのですが、
やっと読んだ、って感じです。
随分前の本ですが「営業」をテーマにした本としては、
名著なのではないかと...。


実際、以前アリコの研修の時に、
一度著者、石原明さんの講演を聴いたことがあります。
気さくな方で、話し方もとてもわかりやすかった記憶があり、
この本も、ただ読むだけであれば、
速読をしなくても、サラっと読めると思います。
個人的には、しっかり考えながら読んでほしいですが...。


話の内容は、とてもシンプル。
本のタイトルがすべてを物語っています。


営業マンは断ることを覚えなさい (知的生きかた文庫)

営業マンは断ることを覚えなさい (知的生きかた文庫)


講演の時の内容は、まさしくこの本のことだったと思います。
保険代理店向けの研修だったので、
講演の後、確か石原明さんの周りは人だかりだったような、
そんな印象です。
当時、売上成績の良い人ばかりが、その周りにいて、
逆に成績のない人にとっては
「知らない人」だったのかも、知れません。


それでは【3文ピックアップ】で、まとめてみます。


1)間違った営業マンのイメージ


著者は「営業マン」と言う言葉で、既に日本人には
イメージを植え付けられている、と言います。


お客さんにも、本人にも、経営者でさえ、
そのイメージに縛られていることがあるというのです。
だから「営業」に配属になると「嫌だなぁ」と思って、
頭の中のイメージ通りの仕事の仕方をしてしまうと。


その考え方自体が、そもそも違うのだと説明しています。


僕自身、この文章を読むまで気がついていませんでした。
大学を出て直ぐに、この本に出会っていたら、
もっと違う人生を送っていたのかも知れないと、
社会人の始まりは営業でしたから、背筋がゾクッとしました。


あの頃は時代が良かったのでしょう。
バブルでしたから、何も知らない自分でも契約はよく取れた。
いつもそれなりの成績を取っていたし、
契約の新記録更新も出来た記憶が、一応あります。
でも、この内容を知って当時から働いていたら...。


2)営業マン=ペコペコする人


逆手に取ると、どうなるのか?
ペコペコしない人は、営業マンではない!
では、何?
その分野の専門家、になれるといいます。


主導権がどちら側にあるのか?
という話なんです。
お願い営業で、頭を下げていては、
その人自身を軽く見られるというのです。
軽い人は、頼りにされません。
頼りにされなければ、当然モノは売れません。
いつか辞めてしまうかも知れない社員から買うより、
トップセールスの方から買う方が、安心だ、
人間的にどうであれ、心理的に、
自分に合わせて何でもしてくれる人よりも、
待たされても正しいレスポンスで返事してくれる、
営業の上手な人から購入したいと、
人間は思ってしまうようです。


3)営業マンの人件費ってすごい


営業に関するステップの話で、
そのステップすべてを営業マンにさせてはいけない、
と丁寧にその理由が書かれており、
また、ではどうすれば良いのか?
という対策方法まで本には書いてあります。


そのとき、この「営業マンのコスト」に触れています。
給料、社会保障費、営業のための交通費、手当てなどなど、
そこにかけるお金は膨大で、でも契約に結びつかない、
そんな時に1件あたりの費用を算出すると...!


経営者は、ビックリするそうです。
そこまで個人にお金を会社として使っているのに、
リターンがないとなれば、何のための営業なのか、
わからなくなってしまいます。


自分自身、そこまでかかっているか!
と驚きで、ますます時間の有用性を意識しました。
感覚的にここで出て来た数字(金額)に対する反応は、
うぉ〜〜〜〜っ、だと思います。


まとめ *****


そんなこんなで、あえて核心部の4ステップには触れていません。
おそらく昔の本ですし、検索すればたくさんの書評も、
このステップを実践している方の話も、ヒットすると思います。


なので、気分的に「そんな本なら読んでみようかな」と、
軽い気持ちで本を手にするきっかけになるように
まとめたつもりです。


今年の新入社員で営業職に就いた方に、お勧めです。
時代が古い、情報が古い、というようなことはなく
原理原則に触れることが出来るのだと思います。
最近はまた「営業本」出版多いですが、読んでみる価値あると思いますよ。


参考に目次だけ ********


1章 営業マンの教育は、営業に対するイメージを変えることから始める
2章 『断ること』をどう教えるか
3章 …だから売れないは本当か
4章 経営者は断れるしくみを作りなさい
5章 組織として『売れるしくみ』4ステップのマーケティングを作るポイント
6章 『売れるしくみ』4ステップのマーケティングの解説
7章 『売れるしくみ』を作ることで業績を伸ばしている会社